ERARD model 126

France/Paris

1918年製造

このピアノは一度フランスで修理されていました。

修理はされているのですが、木目の使い方や向き、また、余りにも種類の違う木を使っている為、これらを全部取り替えます。

エラールの修理で難しい所は、ある部分を修理しなければならない場合、他の部分を潰す覚悟でとらなければならない時があります。

一番右の写真がその例ですが、肝心なのはきちんと元に戻すということです。

ピアノは装飾家具としての一面も持っております。

美しいブラジリアンローズウッドの化粧板で仕上げられたこのピアノは後に痛んだ部分を素人が日曜大工感覚で、近くにある材料を使って直したものと思われます。

これでは外見としての商品価値は限りなくゼロに近い状態ですので、当工房では、出来るだけオリジナルに近い状態まで仕上げる事を心がけております。

天屋根の突き板を剥がしました。これもゴムボンドで接着していました。

このピアノに使われている化粧板は紫檀(ローズ系統)です。

大柄な木目でやや薄めの茶色はサントス産のローズに良く似ています。

当方でもサントスローズを使いました。

突き板を貼る前に下地となる板を貼ります。

化粧板を貼る場合、木目の方向によって全体の印象が変わります。

何れにせよデザインに一貫性がなければなりません。

このピアノは本来木目を縦方向にデザインされたものです。

当然木目を揃えなければなりません。手間は数倍掛かります。

突き板を順番に貼り込みます、継ぎ目を分からない様に貼るのがポイントです。

大変凝った足柱です。色目で随分印象が変わります。

細かい部分に入った塗料も手作業で落とします。

下地塗装・中砥ぎ・着色・上塗り、と作業工程で書き出せば単純な流れですが、本当は大変な作業内容です。

古いピアノの再塗装は以前に施されていた塗料の種類により、対応を変えなければいけません。

響板の補修です。デカールも作り直し、貼り込みます。専用ニスを塗って乾燥させます。

鉄骨の再塗装

アグラフを取り付ける為の準備

専用のリーマーで、かかった塗料を取り除きます。

ポイントを作り、高さを一定に合わせながら取り付けています。

鉄骨を本体に取り付けネジ止め、張弦作業に取り掛かります。

腕木・棚板・脚柱等を取り付けて起こし、アクションの取り付けにかかります。

古いアクションを取り付け打弦点の確認

ダンパーの取り付け

オリジナルを基に再設計したアクションを組みつけていきます。

ハンマーバットをレールに取り付け、ハンマーヘッドにシャンクを植えます。

アクションを取り付け、整調、調律、整音をして完成です。

このアクションの特徴は、ソフトペダルを踏んだ場合、ハンマーが低音側に少しずれる、グランドピアノと同じ、アクションシフトを採用しています。