洗浄/研磨/ブッシングクロス交換。
ドロワー
Restoration of the Piano's drawer mechanism
(※画像をクリックして頂くと、拡大表示されます。)
エレクトリックモーターと遠心ガバナー
(ドロワー高音側)
エレクトリックモーターは、ミュージックロールを駆動する動力を供給します。
ガバナーは、テンポコントロールレバーの設定に応じてモーターの回転速度を制御します。
この後、洗浄/研磨/グリスアップ。
ガバナー テンポ スプリング 交換。
ドロワーパネル上のテンポインジケータと、実際の再生速度を合わせる調整は、写真中央の板バネ"テンポスプリング"を引っ張るネジの引き込み量によって行います。
写真は、テンポスプリング調整ネジを解放した無負荷時の様子ですが、スプリングが変形し弾性力が低下していたため、特注し交換しました。
トランスミッション(ドロワー高音側)
分解中。
古いグリスが固着していました。
全てのギア、スプロケット、チェーンを洗浄し、グリスアップ。
歯欠けなどの大きな損傷はなく、交換は不要と判断しました。
ギア シフト ブレーキ(ドロワー高音側)
リロール終了時には、テイクアップスプールの回転方向を速やかに逆転させる必要がありますが、テイクアップスプールは重いため、ドライブピニオンが高速回転する大型ギアに突然噛み合うと危険であり、損傷の原因にもなります。
それを避けるため、ピニオンと大型ギアが噛み合う直前に大型ギアを減速させるのがギア シフト ブレーキです。
ミュージックロールブレーキ(ドロワー高音側)
演奏中にミュージックロールスピンドルにブレーキをかけることで、テイクアップスプールへの巻き取りを均一に保つためにシートを引っ張る役割を担います。
ブレーキバンド、グリスアップ。
ブレーキドラム(作業前)
ブレーキバンドを装着するパーツ。
洗浄。
トラッキングシステム(ドロワー中央・低音側)
トラッカーバーの両端にあるイヤーで制御されるニューマチックによって、ミュージックロールスピンドルに連結されたシフターロッドが動くことで、演奏中にロールをトラッカーバー中央に保持します。(作業前)
ドロワー内を全て分解。
ニューマチック ラバークロス貼り替え。
ドロワーには全部で6つのニューマチックがあります。
ラバークロスが劣化していたため、全て貼り替え。
ラバークロスの幅はニューマチックの開き幅、つまり可動域を決めるため、全てのニューマチックの開き幅を記録しておく。
その後、ラバークロスを剥がします。
写真はリピート・リロールニューマチックのラバークロスを剥がし中。
コントロールバルブボックス(ドロワー左)
ドロワー内のニューマチックを制御する3つのバルブボックスが一体になったブロック。
3つのバルブブロックが取り付けられるベースには空気の流路があり、内部での分岐もあります。
過去の修復で流路が殺されたり、独自に変更されたりしていたため、マニュアルを参考にしながら、このピアノに備えられた装置を活かす最適なチュービングについて考察を続けます。
・パッキン交換(修復前)
バルブボックスのパッキンとしてのコルクは、過去の修復時にもげたまま取り付けられており気密性が低下していたため、レザーパッキンに貼り替え。
コントロールバルブボックス、その他の作業。
流路をシェラックでシールし、気密性を高めます。
各バルブの可動域を均一に調整。
ブレーキバルブ(ドロワー低音側)
ブレーキバルブは、リロールブレーキニューマチックを制御するバルブ。
リロールブレーキは、リロール中に一定間隔でテイクアップスプールを完全に停止させるブレーキをかけるシステムで、ロール紙をミュージックロールスプールに締め付けてくれるので、手作業で行う必要がなくなります。
気密性が落ちていたので、分解。
スイッチ
ニップル差込口にリークあり。
ロウ付けができなかったため、シェラックシールにて対応。
気密性確認済。
チュービング(ドロワー裏)
チューブが長くなればなるほどバルブの反応は遅れます。
トラッカーバーとスタック双方の配列を確認しながら、できる限り交錯せず無駄のない取り回しを考えます。
トラッカーバー専用の壁が薄いチューブを現物合わせでカットし、ニップルに差し込んでいきます。
スムーズに着脱できるように、ニップルにはシリコングリスを都度塗布。
ドロワー内部。
各ユニットを取り付け、ニップルの外径に対し合うチューブで、マニュアルを参考にしながら接続していきます。
メンテナンスしやすいよう、各チューブにナンバリング。
調整・動作テストの繰り返し。
ドロワー内システムは、作動経路やタイミング、供給負圧の条件がそろわなければ、適切に作動しません。
様々なミュージックロールでテストし、問題があれば、調整やチュービングを変更するなどして解決していきます。
バルブ/トランスミッションの作動タイミングを早めるために、木片を接着。
音量切替スイッチの仕様変更。
ピアノ本体には3段階の音量切替が可能な機構が備わっていましたが、スイッチは2段階調節(NORMAL-SUBDUED)だったため、1つの機構が使われていませんでした。
本体の仕様に合わせ、スイッチで3段階(SUBDUED-NORMAL-BRILLIANT)の音量切替ができるように仕様変更しました。
写真(仕様変更後)。
















































